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卒業生トーク 「家族と比較しなくなりました」

月1回、寮生と卒業生とが話すしゃべり場を設けています。
土曜の鍋会をやっている一角で、卒業生の話を聞く寮生の姿を見ることができます。
最新の卒業生トークの内容をお届けします。

<今回話してくれる卒業生Kくんのプロフィール>

27歳。
親の転勤で各地を転々としていた。
美術系の大学に通っていたものの、卒業前に行かなくなる。
1年半ほど引きこもり的生活ののち、23・4歳の頃にニュースタートに入寮。
2年半ほど寮生活を送ったのち卒業。
寮生時代はいろいろそつなくこなすタイプ。
卒業から1年たつが、卒業前に始めた新聞配達のバイトを、現在も継続中。
そのバイト先がニュースタートのご近所なため、ちょこちょこと顔を出してくれる身近な存在です。


--ニュースタートに来るまでのことを教えてください。

生まれは◯◯です。
親が転勤族だったので、その後✕✕に引っ越しました。
その次に4歳ぐらいの時に△△に引っ越して、小学一年生までいて、関東に引っ越しました。
そこからはもうずっと関東です。
引っ越して来たときは、なまってるねえ、とかよく言われました。
そのまま大学まで行って中退した後、1年半ぐらいひきこもり的な生活をし て、心入れ替えてここに来たわけですよ。

--転校って大変じゃなかったですか?

きつかったですよ。
最初の1、2ヶ月ぐらいは校庭の隅で一人で遊んでました。
はずかしくて声をかけられなかったんですよ。
でもクラスの中には心のいい人がいて、校庭の隅で遊んでたら、「友達になろうよ」って声をかけてくれました。
そしてだんだん輪が広がっていきましたね。

--大学は美術系でしたよね。いつからそっち方面に行こうと思い始めたんですか?

中学生の頃ですね。
勉強が苦手だったんで、受験なんかできなくて、公立の中学校に行き。
やっぱり中2とか中3になると受験の話がでてきて。
塾とか必死こいて通ってたんですけど、成績は少ししか上がらなかったんですよ。
そして、「俺受験なんかしたくない」って投げやりになってたら、母親が勝手に受験校が載ってるすごい分厚い受験ブックみたいなのを渡してきて。
母親が付箋を貼ったところを開けたら、偏差値が低いところしかなく、その時にすごい現実を感じ、「これ、やばいわ!」と 思いました。
親はちゃんとした大学を出ていて、兄もなぜかぶっちぎりで頭良かったので。
僕の学力で高い偏差値の学校に行くためにはどうしたらいいんだろう、って考えたんですよ。
じゃあ学力でどうしようもないんなら違うルートあるじゃん、って感じで見つけたのが、ある程度中学の成績いってれば実技の試験だけで入れるっていうところ。
母親に「美術科のクラスがあるこの高校に行きたいです」って言って、絵を実技がぎりぎり受かるっていう段階まで勉強して、偏差値50か60のところに受かりましたね。

--美術は得意だったんですか?

最初は嫌でした。
最初、絵に関しては全然興味無かったです。
まあ、理由が理由だったんで。
でも絵の意欲に関しては、高校通っているうちにだんだん楽しくはなっていきました。

--その流れで大学も美術系を受験したんですか?

ええ。
普通にそのまま受験しました。
ただ、とても難しかったです。
美術の予備校がとてつもなくシビアで。
途中から予備校に行かなくなり、最初に受験した時は落ちて一年 浪人しました。
でも結局道はこっちしかないかなあって思って、親にもう一度真面目に通いますんで、って頼んでまた予備校に通いました。
その時に親がすごく高い予備校費を払っていることを知り、このままじゃだめだと思い、浪人中は毎日真面目に予備校に通いました。
そして毎日がんばった甲斐あってか、次に受験した時は普通に受かりました。

--いつ頃から就職が微妙だ、という風にはいつ頃になったんですかね?

もう大学に入った時点で全然卒業したい、っていう意欲は無かったですね。
企業に入りたいとかそういうビジョンが無かったです。
なんか目の前のことに必死になってるうちに大学まで来ました、っていう感じで。
絵で仕事したい、っていう考えが無かったですね。
就職活動は全くしませんでした。

--何がきっかけで大学に通わなくなったんですか?

美術には卒業制作みたいなものがあるんですけど、その課題が出てきた頃に行くのやめましたね。
美術以外の授業の成績も下がってきてましたし。
そういえば、大学生の頃、とある美術展に出品するため重い巨大な作品を運んでいる道中で、前にボロボロの服を着たおじさんが自分の前を同じく作品を持って歩いていて、「自分もこんな風になるのかな・・・」って。

--そこでいったん道を見失った感じですか。

そうですね。

--でもニュースタートにはさらっと来て、寮にいる間もそつなくいろんなことをやっていたイメージがありましたけど。

その時にはもう、「ああ、何かしよう」っていう意欲が湧いてました。

--ニュースタートに来てから、周りとのコミュニケーションの取り方とか、考え方が変わりましたか?

なんか変に固まってたのかなあ、ていう感じはしますね。
あと、自分のことに興味を持ち過ぎてた、ていうのもありますね。
その考え方を変えてから気楽になりました。

--ここでは絵を描いたりはほとんどなかったとのことですが、家から離れて絵を手放した、という感じなんですかね?

そうですね。
こっち来てから全然さわってなかったですね。
それこそここ最近ですよ、仲間とちょっと絵をさわり始めたのは。
趣味な感じで。

--仕事の方はどうですか?

1年ぐらい経ちますが、新聞配達の仕事をして気付いたのは、僕の体に合ってるのは一気に8時間とかやるよりも、それを半分にして間に自分の余暇の時間があった方が生活のリズムに合ってるな、ていうのを、前に短期のバイトをやっている時に思い始めてて。
新聞配達始めてからはわりと事がスムーズに進みましたね。
まあ、半年ぐらい働いた後、一人暮らし始めましたね。

--あとどのくらい新聞配達をやってそうですか?

あと最低1年はやってるんじゃないですかね?

--この先何かやりたい事とかありますか?

何かしらものづくりの方が向いてると思います。
あとプライベートでは、遊びの質をよくしたいです。
全部行徳で済ますとかじゃなくて、仲間と温泉旅行に行くなり、そういうことが加えられたら、僕はさらに充実しますね。
そういう生活をするためにも、ある程度収入を増やしていきたいし、やっぱり毎日新聞配達やってると遠出できないんですよ。

--まだ自分を家族と比べることはありますか?

もう全然比べないですね。

--これから仕事を始めようとしているニュースタートの寮生達に対して何かありますか?

やっぱり相談相手はいるっていうことですね。
せっかく似たり寄ったりで、何を話しても引きはしない同じ経験の人間がいるんで、仲良くならないのはもったいないんじゃないかな、と思います。


これ以外にも、アーティスト的なのかこじらせ系なのか、聴き手も悩む(いい意味で)一捻りある恋バナなどもしてくれました。
卒業前から、卒業生・在寮生入り混じっての遊びに、まめに参加していたイメージでした。
今回話を聞いていても気負っていた感じはなく、さりげなくゆるっとつながりを大事にするスタンスは、見習いたいところです。

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