『仲間・役立ち・働き』をテーマに、若者たちが共同生活をしながら人や社会に少しずつ触れていく。
それがニュースタート事務局の共同生活寮です。
寮では、仕事体験を通して『働き』の経験を重ねていくのと並行して、あなたの息子さん、娘さんが同じく引きこもりやニートで悩んでいた仲間たちと共同生活をしながら、地域のイベントやボランティア活動など『役立ち』の社会参加体験をして、仕事以外で社会につながっていく力をつけていきます。
それは就労だけを目的とするのではなく、その後の人生にまでつながるベースとなります。
同じような境遇の若者たちと過ごし、様々な体験を重ねることで、自然と仲間意識も生まれ、人と交流する楽しさを思い出します。いつか仕事に就いて働き始めることができた時、それをよりよい形で続けていくために必要なのが『仲間』です。
明確な期間が決まっているものではないので、あくまであなたの息子さん、娘さんのペースを守りながら、無理のない生活を送ることが可能です。
ほとんどの若者が卒業までに仕事を継続できる力や、人と関わる力を身につけています。
入寮後、まずはニュースタートの中で仕事体験や役立ちの活動を行います。ニュースタートの中での活動なので、うまくできなくても大丈夫です。
仕事体験を通して、「仕事ってこんなものなんだ」「自分もできるんだ」と感じ、徐々に自信をつけ、動けるようになっていきます。
ニュースタートが運営する、イートインスペースのあるパン屋です。パン作りや、陳列、接客などを体験します。
縁側のように、近所の方々がくつろげる場所を目指しています。
千葉県市川市宝2-10-18
安田ビル1F
10:00~18:00
月、木、金
マンマは、ニュースタートで活動する人たちのための食堂です。
みんなの食のことを考え、寮生が日替わりで調理をします。
卒業後の一人暮らしにも役立ちます。
農業体験・『ニュースタート通信』の編集・パソコンを使った作業といった内部での仕事体験や、地域でのお祭りや清掃のボランティア、被災地での災害ボランティアといった「役立ち」を感じられる体験活動を提供しています。
ニュースタート事務局では、いちかわ・うらやす若者サポートステーション(サポステ)と連携し、就労支援を行っています。
いちかわ・うらやす若者サポートステーション(通称サポステ)は、
『厚生労働省/千葉県/市川市/浦安市/NPO法人ニュースタート事務局』
が協働で運営する、公共の若者支援機関です。
キャリアカウンセラーなど専門のスタッフが、就労の支援をしています。
相談のほか、様々な講座やセミナーの受講、企業での職場体験ができます。
ニュースタート内部での仕事体験に安定して参加できるようになり、就労を考え始めたら、外部企業での仕事体験に参加できます。
様々な仕事や働き方があることを、現場での体験を通して知ることができます。
体験中の仕事ぶりを評価され、体験先の企業にそのまま就労する寮生も多くいます。
提携企業例(約70社)
継続して3ヶ月程度仕事を続けられ、これからも安定して自立生活が送れると思えた時が卒業となります。仕事だけではなく、卒業後も会える仲間がいることや、一人暮らしや自立に向けての準備ができていることが大切だと考えています。
寮の在籍期間の目安は、9ヶ月~2年(平均1年3ヶ月)です。卒業生の95%が就労しています(2019年実績、パート・アルバイト含む)。
大学を中退してから5年ぐらい引きこもっていました。
その間、親から「動きなさい」「働きなさい」と言われましたが、今までバイトなどをやったことがなく、自分からは動けずにいました。
そんな時親がニュースタートを知り、レンタルお兄さんが来ることになりました。
はじめは人見知りなこともあり、めんどくさいと思っていました。
2回目の訪問の時に一緒にゲームをして少しずつうちとけて、今まで、家族以外と接触がなかった生活の中で外の人との会話に多少の楽しみはありましたが、やはりめんどくさい気持ちはまだあり、「来ないでください」と言おうと思ったことは何度かありました。でも臆病な自分は結局言えず、そのまま半年間訪問を受けて、寮に入りました。
ここに来て仕事体験をして、仕事をする前の助走期間ができ、自分でも一歩踏み出そうという気持ちになりました。これから仕事を探し、きちんと自立できるようになりたいと思います。
(その後Sくんは正社員になり、寮から仕事へ通う日々を経て、一人暮らしへ。仕事は2020年3月現在も継続中)
高校卒業後、一度は就職をするも会社に対する不信や人間関係に疲れたことから退職。それから約7年、引き込もっていました。
ニュースタートとの出会いは親が持って来ました。
このままは良くないが、自分で動き出すことはない!と、親に自分から言ったことがきっかけでした。親に一度だけ一緒に来て、と言われ向かった先でレンタルお姉さん®と会い、半年ほどレンタル活動の後、寮に来ることを決めました。
最初はお遍路ハウスの管理人に、と言う話でしたが自分にその気はほとんどありませんでした。
ただ、きっかけが欲しかった。
寮生活当初はストレスも多かったですか、ある程度で折り合いを付けられるようになりました。
自分の八方美人な点が自分に負担を掛けているという自覚と、好きな相手とだけ付き合えば良い、この2つを得られた事が寮生活での成果だと思います。
そうした中で期限を切った無理の無いスケジュールを大まかに決めました。
サポートステーションの職場体験を利用し、自分の興味・適正を自分なりに把握してアルバイトを始め、一人暮らしへと進んで行きました。
卒業してからもうすぐ2年。順調に一人暮らしの月日を重ねています。(2020年3月記)
ニュースタートへ来たきっかけは、親から飛行機のチケットを渡されて、どうするか自分で決めるように言われたことです。当時は29歳で、大学時代に人間関係を理由に2年ほど引きこもった後、実家に連れ戻されて5年ほどニート生活をしていました。
親からは「何でもいいから動き出せ」と言われるばかりでしたが、どう動いていいかもわからず、親と同じ空間に居るストレスも耐え難いものがあったので、親から離れたい一心で行くことに決めました。
ニュースタートでの生活は、寮で共同生活をしながら週4日の仕事体験シフトに入るというもので、初めて経験することも多く、新鮮に感じました。
他の寮生たちは年齢も出身も様々でしたが、皆ニート・引きこもり状態にある方等の経験があるということもあってか、話しやすい人も多かったです。
寮のリビングに集まり、他愛のない話で夜中まで盛り上がることもありました。
孤独感を感じずにすんだので、仲間が居るって良いなと思いました。
そう思えたのも、親のプレッシャーから解放されて精神的に楽になり、日々の生活を楽しんで過ごせるようになったからだと思います。
また、1年ほど寮生として過ごした後、半年間ほどスタッフ見習いとして支援する側の立場も経験しました。
レンタルお兄さんとして訪問活動にも携わり、部屋にこもっている当事者へドア越しに話しかけたときは、まるで昔の自分と対峙するような不思議な味わい、興味深い経験でした。
卒業後は、スイミングインストラクターのアルバイトを4年ほど続けた後、ニュースタート元スタッフの女性と結婚。
結婚を機に地元の長崎に移住し、現在、初めての子育てに夫婦そろって悪戦苦闘中。(2020年3月記)
ずっと家にいるときは、ネットで仲間をつどってやるようなゲームにはまってて、今思うと仲間を求めてたんでしょうね。それが、レンタルお兄さんの訪問で寮の人たちも会いに来てくれるようになって、ゲームじゃなくて実際に人と関われるようになってきたのかなあ。
最初はそういう集団生活とか絶対できないだろうと思ってたので、寮生活も続いて、「ああ、できるんだあ」って、驚きというか、180度変わっちゃった。
8年間家から出ていなかったのに、1年半寮生活して、それからずっとものづくりの仕事を続けています。
ニュースタートの寮は、あまり規則がないというか、本人が自由にできるので、娘はそれを気に入っていたようです。
入寮前はそんなにしゃべる方じゃなかったのに、何人か話せる友達もできて、イベントやボランティアにも積極的に行っていると聞きました。
これまでずっと家にいるところばかりを見ていたので、環境を変えて、機会を与えてもらったことが大きいんだろうと思いました。
息子は、完璧主義で自分にも人にも厳しいことで生きづらさを感じ、ずるずると引きこもっていました。
ニュースタートで相談したところ、いきなり就労を目指さず、寮で人間関係の練習をすることを勧められました。
遠回りかとは思いましたが、今も仕事が続いているのをみると、寮でゆっくりやるのも良かったのかもしれません。
最近は、ぼそっとですが、しゃべってくれるようになりました。