無料相談
受付中
引きこもり支援電話047-307-3676

いざ就職という時に、怖くなっちゃって─42歳・10年ニート・Sくん

「親にしてほしい5つのこと」このタイトルで、講演会を開催しています。
ここでは、ニュースタートの寮生や卒業生が、自分の体験や感じたことを語ります。

毎回、2~3人の若者が参加してくれます。
当事者の生の声を聞く、希少な場です。
悩む親御さんが目の前にいるので、若者たちも丁寧に話してくれます。

今回はその講演会から、卒業生Sくんの話を抜粋しました。

就職を恐れる引きこもり
  • Sくん
  • 42歳
  • ニート期間:10年

引きこもっていた頃

ひきこもった理由を教えてください。

大学卒業後、10年近くニート状態でした。

寝たい時に寝て起きたい時に起きるみたいな生活をしてて。いざ就職という時に怖くなっちゃって。「ああ無理だ」って思いこんでしまいました。

怖いっていうのは、働くのが怖いってこと?

すべてですね

規則正しい生活とか、人間関係もそうですし。満員電車ネクタイとか。
当時は、「卒業したら死ぬしかない」と思ってました。

そういう気持ちになったきっかけはあるんですか?

周りが就職活動をし始めて、自分もやるんだなと思ったら「俺には無理だ」と。
俺おかしいな、周りと違うなって感じて。

親に「そんなんじゃ生きていけない」とすごい言われて、ひきこもってしまいました。
卒業とともに、目標がない、することがない人生が始まっちゃった、という感じです。

当時の生活はどうでしたか?

最初の1~2年は遊びに出かけたりしてたんですけど、徐々に孤独になっていって
親も最初は焦ってた感じでしたけど、3年4年もたつと、それが当たり前みたいに、何も言ってこなくなって。

最後の1年位は孤独感とか自己嫌悪とか嫌な気分をアルコールで紛らわせるようになってました。

当時、親に対してどんな感情を抱いてましたか?

正直、よくも産んだなというか。
俺はお前のせいでこんなにつらいんだ、と親のせいにしたくなるというか。

それを直接親御さんに言ったりしたことは?

あまり覚えてないんですけど、態度でつらくあたってたと思います

ニュースタートに来てから

ニュースタートに来た経緯を教えてください。

30歳近くになるにつれて、遊び友達もいなくなって、すごい孤独になって

ニュースタートに来る前に別のNPOに通ってたんですけど、通いだと週1日だけで、残りの日やることがないという状況で。

なんとかしなきゃなと感じてた時に、そのNPOでできた友達がニュースタートに入寮して、その人に誘われたので行ってみようかなと思って、31歳の時に入寮しました。

ニュースタートに来て、どうでしたか?

最初は寮生活になれるまで大変でしたけど、同じような状況の仲間ができて、仕事体験を一緒にやるので、次第に楽しくなっていきました。

仲間ができて、そろそろ働くというタイミングで、ニュースタートとつながりのある会社を紹介されたんですよね。

(その会社に)他の寮生3人と一緒に行って、友達と一緒みたいな感覚で、気づけば働けていました。
月12万円くらい稼いでたかな。

それだと完全に自立は無理なので、しばらくは親に援助してもらってました。

その後卒業して、ニュースタートの近所で一人暮らしを始めました

これから

これからの希望は?

最低限でいいので、生きていきたいですね。
それと、やっぱり話し相手がほしいです。
前の職場は60代のマダムばっかりで、挨拶しかしない人生が続いた感じなので。

親にしてほしいこと

今悩んでいる親御さんへ、「親にしてほしいこと」を教えてください。

ひきこもっていると、サポートステーションとかに一人じゃ行けないと思う。
まずは一緒にいく仲間なり、連れていってくれる人を作ることが必要だと思います。

一人だと、「働くぞ」って時点で、ハードルがすごく高くなっちゃう。
理想は「気づいたら働いてた」ってことだと思います。

なので、なるべく早く部屋から出してあげてください。

こういう所に来られたらいいんですが、本人は嫌がると思うんです・・・

動きたくない」という気持ちと「このままじゃだめだ」というのが混在してるんですよね。
当時の僕だったら、行かなきゃいけないのはわかってるけど行きたくないなと。

でも、あきらめてほしくもないんですよ。
なんとかしてほしいって思ってても拒否するんですよ。
それもこれも嫌だって。

1回、2回とかであきらめられると動けない。
イエスが出るまで、親は言い続けてほしい。



何とかしてほしいのに、言われるとつい拒否してしまう。
でもそれであきらめてほしくない。
そんな複雑な気持ちを話してくれました。

拒否の言葉を、そのまま鵜呑みにしないこと。
あきらめずに、提案し続けること。
引きこもり経験者Sくんが語る、「親にしてほしいこと」です。