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【親にしてほしいこと】 寮生Hくん(32) 「勝ち組じゃなくなった現実に耐えられなくて」

2017年4月10日

 

「親にしてほしい5つのこと」

 

このタイトルで、講演会を開催しています。

 

講演会に参加した若者から、今回は現役寮生Hくんの話を抜粋しました。

 

 


 

 

――引きこもったきっかけを教えてください。

 

高校入学直後はいわゆるいい子で。

勉強もスポーツも教師の受けもいい。

そういうタイプだったんですけど。

高校は進学校で周りがみんなそんな子ばかりだったので。

自分がイメージしてた自分と集団の中での自分のギャップにとまどってしまって。

 

高校でも平均よりは上だったんですけど。

中学までは自分は上位にいて。

こんなはずじゃないのに、努力しても追いつけない。

こんな現実は嫌だと。

ゲームで言えば、リセットしたいなという感じでしたね。

 

「自分は今まで勝ち組のはずだったのに、そうじゃなくなった」

という現実に耐えられなくて。

現実逃避ぎみに惰性で高校に通うようになってしまいました。

不登校になるとかはなく、普通に高校卒業してから1年ぐらい引きこもりました。

 

――勝ち組志向は、親からの影響ですか?

 

そうですね。

3つ上の姉にコンプレックスがあって。

僕は姉と同じ基準でやってもほめてもらえない。

 

姉があの高校に行ってすごいと言われているのに。

僕はそれよりもいい高校に行ったのに。

当たり前みたいな目で見られて。

 

だから姉との関係もよくなかったです。

コンプレックスのぶつけ合いで。

 

――親に認めてほしかったですか?

 

親が想像するいい子でいることが自分にとって良いこと、みたいな。

そういう価値観があって、そういられないのがすごいストレスで。

やけになっちゃった感じです。

1年ぐらい引きこもって、さすがにまずいだろうと思ってバイトを始めたんです。

 

1年やったら社員登用されたんですけど。

3年続けてから辞めました。

人間関係とか、会社が求めるものと働いている個人が求めるもののズレを、自分の中でうまく処理できなくて。

もう疲れちゃったからいいやって。

 

その後は、1年ぐらいピースボートセンターに行って、ポスター貼ったりピースボード乗ったりしました。

ピースボードが終わってからも、貯金があったので、実家にお金を入れながら、これから何するか考えればいいかなと思ってたんですけど。

お金がなくなっても、ずるずると7年ぐらい引きこもっていました。

 

――自分の中で、直した方が良いなあと思うところはありますか?

 

どうだろう。

別に今のままでも問題ないですね。

まあでも、自分が他の人にどう思われているかって、自分じゃよく分からなくって。

 

――そうですよね(笑)。

  約束の時間にちゃんと来る人、シフトにちゃんと出る人というイメージがありますよ。

 

それに関しては、自分に対して自分がそうしないと我慢できないと言うか。

そうですねぇ・・・。

(隣に座る年下の寮生を見る)

若い子に馬鹿にされるのをどうにかしたいぐらいですかね。

 

(一同笑)

 

――「親にしてほしいこと」を教えてください。

 

「信じる」のやり方を変えてほしいなと。

信じて待つことができるなら、信じて突き放す方向に。

今、楽な状況と、将来、苦しい状況というのを天秤にかけると、今楽な状況に気持ちが向いてしまうので。

今楽ならそれでいいというふうな甘えにいきがちになるので。

いつか動くだろうと信じて待ち続けるなら、突き放せば動くだろうと信じて突き放すというのが、やってほしかったなと思います。

 

 


 

 

まだ入寮して1ヶ月半ですが、優しくてしっかり者のHくん。

ニュースタートが運営する四国遍路宿、「お遍路ハウス」の管理人になりたいそうです。

 

そんなHくんが親に求めるのは、「信じて突き放す」こと。

親と離れた今だから言えることかも知れませんが。

親にただ信じて待たれることは、彼にはつらい時間だったのでしょう。

 

ニュースタートでは、「待つのは1年まで」と言っています。

 

動ける状態の子は、1年で動き始めるのです。

実際、Hくんは一度は1年で動きだしました。

動く力がありました。

 

でも2度目は、動けないまま、7年という時間が過ぎていきました。

その後は親からニュースタートに依頼があり、半年の訪問を経て入寮。

親の行動が必要でした。

 

もともとは動く力があり、親が押し出せばそう時間はかからず動ける。

そんなHくんでも、ただ待たれると7年もそのままになってしまうのです。

 

引きこもって1年を過ぎたら、「信じて突き放す」ようにしましょう。

実は子どもも、親のそんな行動を待っているかも知れません。

 

 

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