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【親にしてほしいこと】 卒業生Sくん(42) 「いざ就職という時に、怖くなっちゃって」

2016年11月21日

 「親にしてほしい5つのこと」

 

このタイトルで、講演会を開催しています。

 

ここでは、ニュースタートの寮生や卒業生が、自分の体験や感じたことを語ります。

毎回、2~3人の若者が参加してくれます。

 

当事者の生の声を聞く、希少な場です。

悩む親御さんが目の前にいるので、若者たちも丁寧に話してくれます。

 

今回はその講演会から、卒業生Sくんの話を抜粋しました。

 

 


 

 

――ひきこもった理由を教えてください。

 

大学卒業後、10年近くニート状態でした。

寝たい時に寝て起きたい時に起きるみたいな生活をしてて。

いざ就職という時に怖くなっちゃって。

「ああ無理だ」って思いこんでしまいました。

 

――怖いっていうのは、働くのが怖いってこと?

 

すべてですね。

規則正しい生活とか。

人間関係もそうですし。

満員電車、ネクタイとか。

当時は、「卒業したら死ぬしかない」と思ってました。

 

――そういう気持ちになったきっかけはあるんですか?

 

周りが就職活動をし始めて、自分もやるんだなと思ったら「俺には無理だ」と。

俺おかしいな、周りと違うなって感じて。

親に「そんなんじゃ生きていけない」とすごい言われて。

ひきこもってしまいました。

卒業とともに、目標がない、することがない人生が始まっちゃった、という感じです。

 

――当時の生活はどうでしたか?

 

最初の1~2年は遊びに出かけたりしてたんですけど、徐々に孤独になっていって。

親も最初は焦ってた感じでしたけど。

3年4年もたつと、それが当たり前みたいに、何も言ってこなくなって。

最後の1年位は孤独感とか自己嫌悪とか、嫌な気分をアルコールで紛らわせるようになってました。

 

――当時、親に対してどんな感情を抱いてましたか?

 

正直、よくも産んだなというか。

俺はお前のせいでこんなにつらいんだ、と親のせいにしたくなるというか。

 

――それを直接親御さんに言ったりしたことは?

 

あまり覚えてないんですけど、態度でつらくあたってたと思います。

 

――ニュースタートに来た経緯を教えてください。

 

30歳近くになるにつれて、遊び友達もいなくなって、すごい孤独になって。

ニュースタートに来る前に別のNPOに通ってたんですけど。

通いだと週1日だけで、残りの日やることがないという状況で。

なんとかしなきゃなと感じてた時に、そのNPOでできた友達がニュースタートに入寮して。

その人に誘われたので行ってみようかなと思って。

31歳の時に入寮しました。

 

――ニュースタートに来て、どうでしたか?

 

最初は寮生活になれるまで大変でしたけど。

同じような状況の仲間ができて、仕事体験を一緒にやるので。

次第に楽しくなっていきました。

 

――仲間ができて、そろそろ働くというタイミングで、ニュースタートとつながりのある会社を紹介されたんですよね。

 

他の寮生3人と一緒に行って、友達と一緒みたいな感覚で。

気づけば働けていました。

月12万円くらい稼いでたかな。

それだと完全に自立は無理なので、しばらくは親に援助してもらってました。

その後卒業して、ニュースタートの近所で一人暮らしを始めました。

 

――これからの希望は?

 

最低限でいいので、生きていきたいですね。

それと、やっぱり話し相手がほしいです。

前の職場は60代のマダムばっかりで、挨拶しかしない人生が続いた感じなので。

 

――今悩んでいる親御さんへ、「親にしてほしいこと」を教えてください。

 

ひきこもっていると、サポートステーションとかに1人じゃ行けないと思う。

まずは一緒にいく仲間なり、連れていってくれる人を作ることが必要だと思います。

1人だと、「働くぞ」って時点で、ハードルがすごく高くなっちゃう。

理想は「気づいたら働いてた」ってことだと思います。

なので、なるべく早く部屋から出してあげてください。

 

――こういう所に来られたらいいんですが、本人は嫌がると思うんです・・・(来場者)

 

「動きたくない」という気持ちと「このままじゃだめだ」というのが混在してるんですよね。

当時の僕だったら、行かなきゃいけないのはわかってるけど行きたくないなと。

でも、あきらめてほしくもないんですよ。

なんとかしてほしいって思ってても拒否するんですよ。

それもこれも嫌だって。

1回、2回とかであきらめられると動けない。

イエスが出るまで、親は言い続けてほしい。

 

 


 

 

何とかしてほしいのに、言われるとつい拒否してしまう。

でもそれであきらめてほしくない。

 

そんな複雑な気持ちを話してくれました。

 

拒否の言葉を、そのまま鵜呑みにしないこと。

あきらめずに、提案し続けること。

 

引きこもり経験者Yくんが語る、「親にしてほしいこと」です。 

 

 

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