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【親にしてほしいこと】 卒業生Yくん(35) 「自力ではどうしようもない、 誰か助けてくれれば」

2016年11月28日

 

「親にしてほしい5つのこと」

 

このタイトルで、講演会を開催しています。

 

講演会に参加した若者から、今回は卒業生Yくんの話を抜粋しました。

 

 


 

 

――ひきこもった理由を教えてください。

 

小4の時、ある日宿題ができてなくて、その日を境に行けなくなってしまいました。

中1の時に2カ月くらい登校したんですけど。

いじめられるというか馬鹿にされて、耐えられないなと思って。

最初のうちは友達や先生が来てくれて、誘われれば外に出たりしてたんですけど。

16歳の時に親の転勤で東京に来てから、知らない土地で出かけられなくなりました。

外に出ることが怖くて、どんどん引きこもって行きました。

24歳まで、13年ぐらい引きこもってしまいました。

 

――親とは、どんな関係でしたか?

 

父親や兄とは話さず、母親としか話さなくなりました。

母親とは友達関係のような時期もありましたけど。

思い通りにならないと、ゴミ箱を蹴ったりとか、物にあたったりしたこともありました。

 

――親にどんなことを言われましたか?

 

親からはずっと、学校に行けとか働けとか、全然言われなくて。

腫れ物に触るような感じ。

放置されてた感じです。

自分からチャレンジするタイプじゃないので、このままだと、30代40代、とんでもないことになる。

このまま部屋の中にずっといるんだろうなと思うと、絶望的な気持ちになって。

とにかく逃げてました。

自分としては、もっと親に言ってほしかったです。

 

――ニュースタートに来た経緯を教えてください。

 

21歳の時にテレビで見て、「こんな団体があるんだ。自分も外に出られるかも」と思って。

レンタルお姉さん(ニュースタートの訪問スタッフのこと)にうちに来てもらえるように親に頼みました。

でも、実際に来られた時にはやっぱり緊張して、結構抵抗してました。

最終的に親が東京から引っ越すから、お前はニュースタートの寮で暮らしてみろと言われて。

それが一番のきっかけです。

 

――どうしてレンタルお姉さんに来てほしいと思ったの?

 

自力ではどうしようもないというか。

誰か助けてくれればという、甘えですかね。

 

――ニュースタートに来た後は、どうでしたか?

 

23歳くらいの時に入寮して、高校の資格を取り直して。

卒業する前にスーパーで働き始めて。

1人暮らししながら6年くらい続きました。

 

――その後、転職したんですよね?

 

スーパーの仕事しかしたことなかったので、新しい事をしたいと思って。

なんとか鉄鋼の正社員の仕事が決まりました。

けど、毎日怒鳴り散らされました。

頭がおかしくなりそうになって、これが社会なのかと。

耐えられなくて1ヶ月くらいで辞めました。

仕事を探して、去年2月にまた正社員で働き始めました。

電線ケーブルの仕分けで、40~50キロのものを何回も持ったりとか 。

やっぱりずっと引きこもってると、こういう会社しか雇ってくれないのかなって。

社会の厳しさを知りました。

その会社は1ヶ月も続けられませんでした。

なんとか12月から派遣の仕事に行き始めて、今は倉庫の仕事で検品ばかりしている生活です。

 

――今も正社員になりたい?

 

まあ、そうですね。

でも、今は最低限一人で生きていける程度でいいかなと。

無理してもまたひきこもっちゃうので。

ずっと収入がないよりは維持して行ったほうがいいのかなと。

 

--「親にしてほしいこと」を教えてください。

 

自分の場合ずっと放置だったので、早めにまじで向き合う覚悟をもってほしい。

それは、文句言い合うとか喧嘩するとかじゃなくて、第三者を呼ぶなり友達に来てもらうなり。

早ければ早いに越したことはないです。

長くなればなるほど、絶望を感じるだけなので。

 

――親がどういう風に接すればいいか分からないです。

親が言うと何もしゃべらなくなってしまって。

最初は話もしてご飯も一緒に食べてたのが、部屋に持っていくようになって。

暴言、暴力が出ることもありました。(来場者)

 

お子さんの気持ちがすごく分かります。

やっぱりうざいんですよ、親が。

親が言ってもダメなら、レンタルお姉さん(訪問)じゃないかなって。

おばさんもいいかもしれないけど。

もっと赤の他人の方がいいと思います。

 

――どうしても拒否するから、一人暮らしでもしたほうがいいんじゃないかって思うんですが。(来場者)

 

一人暮らしするだけでは働かないと思います。

部屋でひとりで、ただ考えてるだけになるので。

 

 


 

 

親にもっときちんと関わってほしかったYくん。

 

親にできることをやってほしい、でも赤の他人の方がいいこともある。

私たち支援する側が感じていることを、当事者の側からも感じていました。

 

家の中の空気を、本人が「このままじゃだめなんだな」「動かないといけないんだな」と思えるようにする。

それは親にしかできないことです。

 

 

 

正社員の厳しさも、語ってくれました。

今の時代、正社員は仕事が厳しく、非正規は単純労働が多くてやりがいを見出しくいのが実情です。

 

今の自分を理解して、合った働き方を選べるようになること。

人生を豊かにするには、という視点でを考えられるようにること。

 

ニュースタートでの体験、職場での体験を通じて、得てほしい力です。

 

 

 

「とりあえず一人暮らしをさせてみる」

こう考える親御さんはけっこういるのではないでしょうか。

 

「やらせてみたけど、どうにもならなかった」

そう言って相談に来られる方も少なくありません。

 

本人にとっては、「ひとりでただ考えてるだけ」の時間なんですね。

 

 

 

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