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【働けなかった僕たちの本音】集中訓練プログラム生Oくん(35)「親と離れて暮らした方が良かったのでは」

2019年3月6日


ひきこもり・ニートの若者講演会「働けなかった僕たちの本音」を行徳センターにて開催しました。

 

講演会に参加した若者から、今回は集中訓練プログラム生Oくんの話を抜粋しました。

 

 

 

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――引きこもった理由を教えてください。

 

対人関係が学生の頃から得意でなく、他の人が怖く感じて、コミュニケーションを取る事が難しくなったという感じです。

 

――O君は大学も卒業されていますね。人間関係が難しいと大学を卒業するのは難しいと思いますが、そのあたりは大丈夫でしたか?

 

卒業を出来る程度には、コミュニケーションを取る事は出来ていたので・・・

 

――何か大きな出来事があって引きこもった、というわけではなかったのですか?

 

あったと言えばあったのかもしれないですが。

色々積み重なっていったのかなと思います。

 

――大学を卒業する時の就職活動は、どんな感じでしたか?

 

大学の単位自体がぎりぎりで、就活はしていないという感じでした。

 

――大学時代から続けていたアルバイトを卒業後も続けていたという事でしたが、どの位そのアルバイトを続けましたか?

 

お店が変わったりはしましたが、5年位はアルバイトをやりました。

 

――アルバイトを辞めてからは、求職活動はしましたか?

 

仕事は探してはいたんですけど、調べるばかりで・・・

 

――最後にアルバイトを辞めて家に引きこもってから、ニュースタートの集中訓練プログラムに参加するまでの期間は何年位でしたか?

 

10年位です。

 

――家に引きこもっていた期間は、親御さんは何か言ってこなかったですか?

 

時々言われたりはしましたが、そんなに強くは言われなかったです。

 

――外で働く事と家にずっといる事は、どっちが嫌だったですか?

 

親とのコミュニケーションがあまりなかったので、家にいる事自体は居づらいと感じる事はなかったです。

 

――引きこもっていた10年間は、家では何をしていましたか?

 

インターネットを見たり、テレビを見たりしていました。

 

――引きこもっていた10年間に、親にこうして欲しかったという事はありますか?

 

親と離れて暮らした方が、親と自分の両方にとって良かったのでは、という気が今はしています。

 

――事前のインタビューで、家にいたら自然と御飯も出てきて、自分で何かやらなくてはいけない事もないし、「守られてるけど、奪われてる」という言葉がO君から出てきたんですが・・・

 

食べる事にも困らなかったですし・・・

 

――親御さんも良かれと思って面倒を見てくれたと思いますが、振り返ってみて、それは自分の為にならなかったのかな、と思ったりしましたか?

 

そうですね・・・

 

――集中訓練プログラムに参加したきっかけは?

 

親の勧めでニュースタートの資料をもらって。

集中訓練プログラムについては自分で費用の事を調べたら出てきたので・・・

 

――ニュースタートの講演会にも参加されたのは、親の勧めでという事ですか?

 

そうですね。

「一緒に行ってみないか」という事で運転を任されて。

渋々ついて行ってみたという感じです。

 

――すんなりプログラム参加を決断できたのか、その間に色々気持ちが揺れたのか、どちらですか?

 

あまり積極的にはなれておらず逃げ出したりしましたが、逃げていても自分では変われないと思っていたので。

ここをきっかけに動ける様にと思って来ました。

 

――説明会や面談には、何回ぐらい来ましたか?

 

3回ぐらいだったと思います。

 

――3回ぐらい来られて、色々話を聞いて、決断したという事ですね。

 

そうですね。

 

――親御さんに「こうして欲しかった」という事はありますか?

 

あまり色々言われるよりは自分で決めたかったかな、というのはあります。

 

――O君は地域若者サポートステーション(以下サポステ)の「集中訓練プログラム」の参加者ですが、このプログラムは3ヶ月の間に、ニュースタートでの色々な体験だけではなく、外の企業でも見学や仕事体験まで参加してもらいます。

ニュースタートの通常の寮生活は平均が1年で、ゆっくり人と慣れる事から始めて、ニュースタートでの仕事体験を34ヶ月してから、就職活動に向かいます。

集中訓練プログラムの方が、かなりハードなスケジュールになっていると思いますが、大変なことはないですか?

 

最初はやっぱり緊張とかもありましたが、徐々に慣れていって、物事を少し自分のペースで進めていける様になって。

自分の事が何となく解ってきた様な感じがします。

サポステでお世話になって、色々見学をして色々な働き方を見たりして参考になっています。

 

――食堂で料理を作る体験はどうですか?

 

家では殆ど料理を作る事はなくて、料理はここに来て初めて味付けをしたりして作ったので。

料理を覚えるまでは量や時間とかを何度も失敗しましたが、3ヶ月で何とか出来てきたかなと思います。

 

――親元を離れて良かったと思う事はありますか?

 

親に気を使わなくて済むという事では、離れて良かったと思います。

 

――ニュースタートでは仕事以外の体験も大事にしていて、今回の様に講演会に出てもらうとか、みんなで遊びに行くイベントとかもあります。

O君はそういう事に参加してみてどうでしたか?

 

そういう場に参加した場合でも緊張はするので、何でも話せるという感じではなかったです。

 

――サポステでは、担当者が一人付いてくれて、寮の生活や仕事の事など色々相談できると思います。

 

サポステの担当の方はしっかり話を聞いてくれて、色々な事を勧めたりしてくれて良かったです。

 

――企業見学や外の企業の仕事体験に行った時に、OBがいたと聞きましたが。

 

集中訓練プログラムを卒業してスーパーの警備に就職した方がいて。

その方に寮生の話を聞いたりして、色々な所にニュースタートが広がっていて面白いなと思いました。

 

――自分で仕事を探して仕事をするのと、プログラムに参加してサポステのスタッフが付いて仕事に向かうのとでは、何か違いはありますか?

 

自分で仕事を探す場合は情報ばかりだけですが、集中訓練プログラムの場合は実際に現場に行けるので全く違うと思います。

 

――今後はどうする予定ですか?

 

プログラム終了後は、ここの近くに部屋を探して一人暮らしをして、サポステでは引き続きお世話になって、見学とか体験を続けて、自分にあった仕事を見つけていきたいです。

 

――プログラムはもうすぐ終了ですが、サポステは同じ担当で引き続き利用できるので、そのまま仕事探しをするという事ですね。

 

そうですね。

 

――今日来ている親御さんや、引きこもっている人達へ一言お願いします。

 

自分の場合を考えると、何度も働きかけをしてくれた事で心の準備が出来たので、良かったと思います。

 

――子供から断られても、親御さんに何度も働きかけて欲しいという事ですか?

 

そうですね。

 

 

 


 

 

 

守られてるけど、奪われてる」という言葉は、とても印象的です。

ニートや引きこもりの子どもを抱えている親御さんは、

 

「守ってはいるけど、奪ってもいないか」 

 

とご自分を振り返ってみてください。

良かれと思ってしていることが、子どもを動けなくしている可能性もあるのです。

 

 

 

集中訓練プログラムとは、地域若者サポートステーション事業のひとつです。


厚生労働省から助成金が出るため、通常の寮生活より安く寮に滞在できます。

ただ参加には条件があります。

詳細は前回の要綱をご覧ください。(前回の内容は→こちら

 

次回の実施予定はは6月。

5月の説明会に、ご本人と親御さん両方の参加が必要になります。

4月下旬にはお知らせができると思います。


 

 

若者講演会では、このように寮生達の生の声を聞くことができます。

次回の開催は、3月17日(日)14:00~です。

場所は行徳センター、ご参加は無料です。

 

今回は、現在集中訓練プログラムに参加中の若者2名と、ニュースタートの寮生1名が話をしてくれます。

 

お席は埋まってまいりましたが、まだご参加は可能です。

ご予約はお問い合わせフォームかお電話にて。

 

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